千年の歴史を有し頑なに守られてきた無釉焼〆であるがゆえに「土」にこだわり「焼成」にこだわり「成形」にこだわる。侘び・寂びの心に通ずる素朴で奥深い自然美の器。料理に携わる者として、また器を創造する者として料理を優しく包み込み最も色鮮やかに表現する器は備前焼であると自負しております。

焼〆陶作家 秋山墨朋

窯変桟切(ようへんさんぎり)

作品の上に薪が重なったり、灰に埋もれたりして火が直接作品に当たらない為に赤・黄・青・緑・黒・金・銀等・さまざまな色の変化を起こす現象の事で、重厚で美しい焼肌は神秘的でもある。又、人工的に木炭を使って窯変させて出来たものを単に浅切という。

窯変灰被り(ようへんはいかぶり)

作品が窯の中で灰に埋もり、そのために火が直接当たらないので還元焼成(いぶし焼の状態)し、暗灰色となり一方では強い火が当たった部分は赤く焼け上がり、そのコントラストの妙が焼肌の特徴のひとつで、ひと窯で出来るのは僅かである。

胡麻(ごま)

備前焼の中で最も備前焼らしく人気の高いものがこの胡麻で、燃料の松割木のハイが作品にふりかかり高温でとけて自然の灰釉となったもので一般的に黄色もしくは茶色している。
ふりかかる灰の量で玉だれという焼肌のものも出来、珍重される。

火襷(ひだすき)

素地が白地あるいは薄茶色の土肌に濃い赤色の線がついたものをいう。
もともとは窯詰めの際に作品と作品がくっつかないようわらを巻いて焼いたところ、その部分が線状に赤くなって赤い襷のように見えたのでそう呼ぶようになった。